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マダムが消えた瞬間

これは小学生の時の話ですが実家には玄関を入ってすぐに靴箱があり、その上には鍵の置き場や固定電話が置かれていた。
僕の母は少し抜けている節があり、マイペースだったが周りの大人からはそれが余裕があり、気品があるなんて言われていて友達にすら綺麗な母ちゃんだなんて羨ましがられていた。
その日は家庭訪問の日で本性の掃除が嫌いな母も朝からせかせかと家中を綺麗に掃除していました。
帰りのホームルームでは担任の先生からは10分前くらいには何時に着くと事前に連絡をするのでその日の予定の子は遊びにいかずに保護者と一緒に居るようにとの事。
帰宅すると母は汗だくで普段の家の痕跡を消すべく細かい所まで掃除をしていて帰宅した僕も秒で母の駒に。
そのおかげか予定時刻の4時まであと30分も残し普段の家の有様を隅々まで消したのである。
やっと2人で腰を下ろしたと思いきやふと茶菓子を忘れたと鬼のような速さで立ち上がって廊下を走り自転車を爆音で漕いで行った母の背中の残像を今でも覚えている。
本性の普段しない掃除は心身ともに疲れ、残り時間でマダムのベールを被らなきゃ行けない事に焦って苛立っていたのだと思う。
やっと思いで帰ってきてキキーッとゆうブレーキ音。
バタバタッ!ガラガラ!走って玄関を開ける音。
ハァハァと息を切らしながら走ってくる母の横でプルル。
反射的に受話器を取ってまさかの「ただいまぁ!!!!」
間に合うか不安で玄関が見える位置まで出てた僕は爆笑でしたね。
帰宅後すぐ掃除して伝えるの忘れてた僕も悪いけど担任の先生に電話の第一声ただいまぁ!!!!